日本では結婚後に「夫婦同姓」が法律で義務づけられていますが、フランスでは結婚しても姓を変えない=別姓が一般的です。国際結婚を考えている方や、姓の扱いに関心のある方にとっては、この違いは非常に重要なポイントです。
この記事では、フランスにおける結婚後の姓の扱い、法制度、文化的背景、そして国際結婚での注意点について詳しく解説します。
フランスでは結婚しても名字(姓)を変える必要がない
フランスでは、結婚しても法律上の姓は変わりません。
結婚しても本名(出生時の姓=”nom de naissance”)はそのまま
変更することは可能だが、義務ではなく「選択制」
配偶者の姓を名乗る場合も、それは通称(nom d’usage)として使用するだけで、戸籍名は変更されません
つまり、「夫婦別姓」が基本であり、「同姓」はあくまで任意という考え方です。
フランス人の結婚後の姓に関する意識
フランス人にとって、姓の扱いは個人のアイデンティティに深く関わる重要な問題とされています。
結婚しても「自分は自分」であり、姓を変える必要性を感じない
配偶者の姓を使うことはあっても、それは社会的な場面での便宜に過ぎない
子どもが生まれた際には、両親の姓を組み合わせるダブルネーム(複合姓)も選択可能
こうした考え方から、フランスでは「姓=家制度の象徴」ではなく、「個人の名前」として扱われています。
日本との大きな違い:夫婦同姓の義務
日本では民法により、結婚すると夫婦は必ず同じ姓を名乗る必要があります。
現実には、約9割の夫婦が「夫の姓」に統一しています。
この制度は、国際的にはかなり特殊であり、「姓を変えたくないから結婚しない」という声も増加中です。
フランスではこのような縛りがないため、結婚に対する心理的ハードルも低くなりやすいのです。
国際結婚(日本人×フランス人)での姓の扱い
日本人とフランス人が結婚した場合、姓の扱いは双方の国の制度に影響されます。
日本で婚姻届を提出する場合:
日本側は、戸籍制度によりどちらかの姓に統一する必要がある
フランス人配偶者は姓の変更は不要(フランスでは変わらない)
実際には、日本人だけが姓を変える形になることが多い
フランスで婚姻を届け出た場合:
法的には両者とも本名のまま(別姓)
必要があれば、通称として配偶者の姓を使うことは可能
書類・ビザ手続きでの注意点:
名前が一致していないと手続きが煩雑になることがある
ビザ申請や航空券などでは通称と本名の使い分けに注意
フランスで子どもが生まれた場合の姓は?
フランスでは、子どもの姓は以下のように柔軟に選べます。
父の姓、母の姓、または両姓のハイフン付き(複合姓)
両親の合意により決定し、初回の出生届で決めたら原則変更不可
子どもの姓も個人の権利として尊重される
このように、家族であっても「名前の個人性」を尊重する文化が根付いています。
まとめ:フランスでは結婚しても自分の姓でいられる自由がある
フランスでは「結婚=姓を変える」という発想はなく、夫婦別姓がスタンダードです。これは「家」よりも「個人」を尊重する文化の表れであり、結婚後も自分らしさを大切にできる環境が整っています。
国際結婚を考える際は、こうした制度・価値観の違いを理解し、お互いにとって最善の形を話し合うことがとても大切です。
結婚相談所 たかなしや
https://www.takanashiya.jp/
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