フランスでは「恋人と長く付き合っていても結婚しない」というカップルが珍しくありません。むしろ、事実婚を選ぶ人々が多く、結婚そのものにこだわらない文化が浸透しています。本記事では、フランスで結婚しないカップルが多い理由について、文化・制度・価値観の観点からわかりやすく解説します。
フランスでは結婚しないのが珍しくない?
フランス国立統計経済研究所(INSEE)によると、2020年代の時点で第一子が生まれるカップルのうち、約6割以上が未婚というデータがあります。これは、結婚よりも「一緒に暮らす」「家族をつくる」ことに重きを置く文化が背景にあります。
フランス人が結婚を選ばない主な理由
1. PACS(パックス)の普及
1999年に導入された**PACS(市民連帯協定)**は、事実婚のような形で法律上のパートナー関係を認める制度です。
税制上の優遇があり、結婚とほぼ同様の効果
手続きが簡単で、解消もスムーズ(裁判不要)
異性・同性を問わず利用可能
この制度があることで、「あえて結婚しなくてもいい」という選択肢が一般的になっています。
2. 結婚に対する宗教的・社会的圧力が弱い
フランスは政教分離が徹底された国で、結婚を宗教的な儀式として必ずしも重視していません。
結婚は「個人の自由な選択」と考えられている
結婚しないことに対して家族や社会のプレッシャーが少ない
宗教に縛られないライフスタイルを好む人が多い
3. 愛と結婚は別のものと考える価値観
フランスでは、「愛しているからといって結婚する必要はない」という考え方が広く浸透しています。
愛は日々の行動で示すもので、形式にはこだわらない
長年連れ添っていても、結婚せずパートナーとして生きるカップルも多い
お互いの自由や個人の時間を尊重する傾向が強い
4. 離婚リスクへの現実的な視点
フランスでは離婚も比較的多く、「結婚すれば安定する」とは限らないという意識が根付いています。
離婚手続きが煩雑で精神的・経済的負担が大きい
PACSであれば、より柔軟に関係を築けると考える人も多い
結婚=法的責任が増すことへの慎重な姿勢
5. 子どもがいても結婚しないのが当たり前
フランスでは、未婚カップルが子どもを持つことが社会的に自然と受け入れられています。
学校や保育施設で「両親が結婚していない」ことは珍しくない
子育て支援制度が充実しており、結婚の有無で不利になることが少ない
パートナーシップと育児を別問題と考える柔軟さがある
日本との違いに注意
日本ではいまだに「結婚=家族を築くための必須ステップ」という意識が強く、未婚のまま子どもを育てることに対する偏見も根強いのが現状です。
しかしフランスでは、「形式に縛られず、本質的な関係を重視する」考え方が広く浸透しており、それが結婚をしないという選択肢を可能にしています。
国際恋愛・国際結婚を考える方へ
フランス人パートナーとお付き合いしている方、これから結婚を視野に入れている方にとっては、**「結婚への温度感の違い」**を理解することがとても大切です。
結婚にこだわるかどうかは個人差が大きい
相手が結婚を急がない=愛情が薄い、ではない
PACSを含めたさまざまな選択肢があることを共有する
「結婚」という形式にとらわれず、お互いの信頼と尊重を大切にするフランスのパートナーシップの考え方は、これからの時代の結婚観にもヒントを与えてくれます。
結婚相談所 たかなしや
https://www.takanashiya.jp/
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