日本の女性運動の夜明けを切り開いた言葉の革命家・平塚らいてうとは
「元始、女性は太陽であった」――
この言葉を雑誌『青鞜(せいとう)』創刊号に刻み、明治日本に“女性解放”という思想の火を灯したのが、平塚らいてうです。
作家、評論家、そして社会運動家として、フェミニズム・母性保護論・平和主義に至るまで多彩な活動を展開し、日本初の女性雑誌を創刊した先駆者でもあります。
女性が「家の中にいる存在」だった時代に、言葉で世の中に挑んだ彼女の足跡を、代表作とゆかりの場所を通してたどってみましょう。
平塚らいてうの代表作 6選
1. 元始、女性は太陽であった(1911年)
雑誌『青鞜』創刊号の巻頭文。日本の女性文学とフェミニズムの出発点とされる一文です。
【テーマ】女性の尊厳、自己肯定、再生の思想
2. 青鞜(雑誌/1911〜1916年)
女性が自らの言葉で綴った日本初の文芸雑誌。執筆・編集・発行まで女性主導で行われた歴史的出版物。
【テーマ】女性表現、社会批評、思想の自由
3. ある女性の記録(自伝)
青春期から運動期、母としての経験を通して綴られた自伝的作品。人間味あふれる一面が垣間見えます。
【テーマ】女性の内面、運動の裏側、母性
4. 婦人公論での評論活動(1920年代〜)
平和主義、教育論、女性労働などをテーマにした評論を多数執筆。
【テーマ】社会参加、思想形成、実践知
5. 母性保護論争での発言(与謝野晶子との論争)
母性を社会がどう支えるかを巡って、女性作家同士の真剣な思想対立を記録。
【テーマ】女性の権利、家庭と国家、思想の違い
6. 平和運動の発言(戦後)
戦後は平和運動にも力を注ぎ、思想と社会の両輪で活動。戦争と女性の関係に鋭く切り込む視点が注目されました。
【テーマ】反戦、命の尊重、女性の声
平塚らいてうの聖地巡礼スポット6選
1. 東御市平塚らいてう記念碑(長野県)
出生地・長野県東御市には、らいてうの功績をたたえる記念碑が設置されています。
●最寄駅:しなの鉄道「田中駅」
●おすすめポイント:浅間山を望む自然豊かな地で、原点にふれることができます。
2. 田端文士村記念館(東京都北区)
文士たちが集まった田端エリアに、らいてうも一時期居住。青鞜社の同人たちとも関わりがあります。
●最寄駅:田端駅
●おすすめポイント:当時の文学運動の熱気を感じられる空間。
3. 東京女子大学(東京都杉並区)
らいてうが講演を行った女子教育の拠点の一つ。現在もその記録が保存されています。
●最寄駅:西荻窪駅
●おすすめポイント:教育と思想が交差した現場を訪ねて。
4. 神保町・旧『青鞜』発行所跡(東京都千代田区)
かつて『青鞜』が発行されていた界隈。現在は書店街として有名ですが、文学の拠点でもありました。
●最寄駅:神保町駅
●おすすめポイント:書物の街の中で、言葉の出発点を実感できる。
5. 大磯(神奈川県)
戦後に暮らした場所で、平和運動や回想録を執筆した晩年の居住地。
●最寄駅:大磯駅
●おすすめポイント:静かな海辺の町で、思想家としての終着点を味わえる。
6. 多磨霊園(東京都府中市)
平塚らいてうの墓所。碑には活動を称える言葉が刻まれています。
●最寄駅:多磨駅
●おすすめポイント:多くの文化人が眠る地で、歴史とともにたたずむ場所。
よくある質問(Q&A)
Q. 平塚らいてうは小説家ですか?
小説というよりは評論・随筆・雑誌編集者としての活動が中心です。文芸運動家と表現した方が正確です。
Q. 初心者にはどの作品がおすすめ?
『元始、女性は太陽であった』から読み始めると、彼女の思想が端的に伝わります。
Q. いま読んでも古くない?
むしろ現代的な問題――ジェンダー、労働、家庭――に通じる視点が多く、驚くほど今に通じています。
まとめ
平塚らいてうは、言葉の力で時代の壁を打ち破った女性でした。
彼女が選んだ道は、女性に限らず、すべての“声なき人”にとっての道しるべとなっています。
今だからこそ、らいてうの言葉に耳を傾け、彼女が立ち止まり、語り、歩いた場所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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